神田紺屋町の「Sabori 神田風月堂」を2年間運営させて頂きましたが、収益化ならず赤字のまま終の着地となりました。神田紺屋町は歌川広重の「名所江戸百景」に紺屋の町として描かれている神田駅東口の徒歩3分のエリアです。
個人的にはかなり気に入っていた物件です。この鍵とドアも昭和レトロ感満載で味わい深くて気に入っていました。
コロナ渦でレンタルスペース・貸会議室の人気の設備・備品は、時期により早いスパンで変遷、もしくは落ち着く所に落ち着いている気もしますが、ある部分に照準を合わせ、都度備品を調達してもシミュレーションで出る利益に、労力が見合わずというか到底及ばないという結論となり終了となりました。
敗因としては、
神田は貸会議室激戦区ではありますが、問題はそこでなく、建物のベースの雰囲気をうまくアレンジできず利用者の需要をマッチさせられなかった事だと思います。戻る利益からすると難しかったですが、サッシや建具の塗装等ある程度高額なリフォーム(原状復帰という点でも)は必要不可欠でした。
検索エンジンに需要を最適化出来る事も大事ですし、コロナで時世が早いスパンで色々と変わったこともありますが、完全に力量不足です。
難易度の高い物件はいくら魅力的な物件でも己を過信せず、冷静に見極めて諦める事も必要です。
こちらの神田にある風月堂ビルのエレベーターは、油をさすか調整かして頂いてもやはり油圧が硬くなるようで、扉の開閉が重い点はマイナスだったかなと思います。またボタンには少々癖があります。振り返ってみて男性に問題なくても半数いる女性ユーザーにはマイナスだったかなと感じています。2年前調整頂いて1度改善したんですが、60年この状態でやってきたなら設備としてはこれが正常かと思いました。
トイレは各階にあり、使用者に対して正常な個数あるビルで、込み合わない点は良かったんですが、こちらも古さが際立っていたようです。何よりレビューに色々よい感想を書いてくれる方の最後に「でもビルが古かったので★4」(★5点中)とそこそこな頻度であり、
古さを上回る体験、雰囲気を提供できていないという点、これに尽きると思います。
(エレベーターは、初見は私もディズニーのタワーオブテラーを彷彿とさせ怖くて乗れなかったのですが、2回目に行ったときに希少さという点で良いかもしれないと思い直したんですけどね。ただずっと東京、神田で残ってほしいビル、エレベーターですね。地方には沢山ありそうですし、都会でも公民館や公共施設では残っているものもありそうです。)
需要として古くてもある程度はリノベできていないといけない・・という事を実感として経験した感じです。仕事柄ホテルや旅館の査定の際、理解していたつもりなんですが、人間自分の事となると、判断を誤るようです。古いままならストーリーがあるとか希少性が高いとか、「何かないと」ですね。眠る需要もありそうな気もしましたが掘り起こせませんでしたね。
この最高にコスパの良い事務所は、築古を生かし激安事務所として活かすのが神田ならではで良いのかもしれません。防火・耐久・耐震面はここでは割愛いたします。値段なりなので。
改めて、ここは1950年築ならではの、古いからこその用途を深堀して考える必要がありました。しかし時間を掛けてそこをしっかりと掘り下げて考え、適した運営・備品を揃え収益化できたとしても得られる金額は少額でした。ミュレーションで出した金額が甘かったと思います。コロナで何が原因か特定が難航というか余計な懸念に振り回されてしまったのは大きかったですが。やってみて分かったこともありますし。
昭和中期の好きな雰囲気でしたね。
お金持ちなら素直にその一言で終えられるでしょうが、そうではないので、「くやっしーです![┐`益´┌] 」てとこですね~。
2019年には女優の八千草薫さんが無くなり、コロナ期間に出演作品をいくつか見ていたんですが、その映像の中でこのビルが立てられた年代の街の風景が良く出て来て、思いを馳せたりしていました。
最後に・・・
退去にあたり、予約ブロックした日にスペースの掲載サイトであるshopcounterさんから電話があり、営業されてます?と質問して頂きました。このスペースが無くなったことって誰か認識してくれてるのかな?とうっすら感じていた疑問に実質答えてくれたのはshopcounterさんだけでした。笑
というオチでしめたいと思います。ご利用ありがとうございました。
神田司町の「Sabori 小川町・淡路町・神田」は引き続き運営中です。
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